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エンドー帝国  カンボジア撮影日記

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2005年 06月 30日

0630:香港返還8周年

昼前受付の撮影のため、いつもの8時8分で出発。
コンビニで20世紀少年の最新刊を購入。
いつもなら発売日の2時くらいに入荷してるのに、昨夜は入らなかった。
今日は新宿と渋谷なので、計算したら1670円の都営交通フリーパスで行くよりも、帰りに東横で横浜に出た方が都合がいい。
なので、品川まで出て、わざと内回りで時間を潰す。
新宿でヨドバシ行って、ネガキャリアのマスクを発注。

地下街でハイビジョンハンディカムの広告。
0630:香港返還8周年_b0003143_1332134.jpg
TRVタイプのハイビジョンがもうすぐ出るらしい。
値段は俺が持っているTRV900と同等。
安い。
20万しない値段でハイビジョン時代だよ。
前は3CCDカメラなんて、映像系やりこんでいる人しか使わなかったけど、今、単板のハンディカム5万で買えるみたいだし。
だいぶパナにシェア食われているみたいだし。
広告から見ると、ずいぶんファミリー向けに展開しているようだった。

コニカへ行くと、フォトプレミオの展示。
ブラジルの写真。
フォーマットは67。
ピントと焼きが少々甘い。
もう一つは砂浜を撮った写真。
俺に取っては価値のない写真だったので、ぐるっと足を止めズに見て出る。
ヤバイ。
ブラジルはプレミオでやるべきものだと思うが、砂浜はどーでもいいんじゃないの。
こゆうくだらないのが選ばれるのと、そろそろ自分の年齢を真剣に考えたら、もう少し焦らねばと思った。

歌舞伎町行って、博多天神でラーメン。
今日は給料日らしく、おばちゃんが給料袋をおじさんに渡していた。
何人かわからない客の会計でもめる。
会計のオーダーを伝えるおじちゃん。
なんだか客の言っているオーダーと違うらしい。
「こんなに暇なのに、オーダーも覚えられないの!」と怒鳴るおばちゃん。
新宿って怖いとこだ。
食い終わりお会計をして帰ろうとうすと、脚立を見て「コレ、買って来たの?」とおbちゃんに聞かれた。
「いえ、仕事なんです」
「仕事って?」
「記者会見です、これから」
「へぇ~そんな仕事もあんだネェ~。ガンバッテね!」
さっき怒鳴ってるのを見た後なので、なんか変な感じ。

1本目の撮影を終え、すぐに渋谷へ向かう。
今日は同じ時間帯に記者会見4っつも重なってるそうで、いつものカメラマンの姿はほとんど見ない。
渋谷の会場で数人見かけただけだった。

渋谷の撮影の帰り、東急ハンズへ寄った。
ジゴロウマペットないかなぁと思って寄ったんだけど、今週末でジゴロウ降板の影響下、SAKUSAKUグッズコーナーは人が次から次にやって来ていた。
「今週でジゴロー終わりらしいよ~。なんか著作権の問題で、大人の事情らしい」なんて話している女性がいた。
マペットがなかったので、懐も寒いので帰る。
東横で横浜まで出て、ヨドバシへ。
引き伸ばし機の電球を買う。
「すごいっすね…」
会計の時に若い店員さんに言われた。
「は?」
「こんなにポイント貯まっているヒト…初めて見ました」
「あ、ああ…」
最近ストロボ用の電池の充電具合がよくないので、充電器を「リフレッシュ機能付き」にするかで迷い、給料日以降にする。
「17才」のビデオを、早くDVD化しなきゃなぁと思い、キャプチャーボードを見て、ドスパラで安い光学式マウス買って帰宅。


さて…
1997年6月30日。
香港は99年の租借期間を終え、イギリスから中国へ返還された。
きっかけは大沢たかおの「深夜特急」だった。
主人公である沢木が泊まった重慶マンション。
俺はその怪しげな雰囲気にすっかりとりつかれ、「返還前の香港へ行く」と決めていた。
1997年になって、テレビや新聞は、毎日の様に、「香港返還」というニュースが報じられていた。
やがて「返還前の香港に行く」という想いは「返還前に行くならば、返還またいじゃえばいいじゃん」となった。
最終的には
「ベルリンの壁の崩壊は突然だったけど、香港返還は7月1日だと決まっている。
その場にいれば、俺は歴史の節目を実際に体感できる。
将来、孫が生まれたら「じーちゃんはこの時この場所にいたんだよ」なんて言えるじゃん!」
という自己満足のために、皆勤だった専門学校を10日間、ほとんど誰にも言わず休んで香港へ飛んだ。

返還の日、重慶マンションで知り合った日本人と、スーパーで寿司とシャンパンを買い、ビクトリアハーバーの近くで時を待った。
オレンジ色に染まった夜の町に繰り出してくる人々。
ペニンシュラホテルの、見晴らしのよさそうな部屋に、タキシードを着た5歳くらいの西洋人のガキおぼっちゃまが、俺たち人ゴミを見下していた。
警備をする香港警察の警官は記念撮影に快く応じる。
「7月1日になったら、俺たちは一斉にこれを交換するんだ」と、帽子のエンブレムを自慢げに見せてくれた。
地べたに座って、7月1日を待つ。
人の流れが変わった。
皆、ぞろぞろと海の方へ歩いて行く。
バラバラバラとヘリコプターのローター音が響くと、「ウォ~ッ!」という雄叫びがこだました。
今、何時なのか?
返還の瞬間にシャンパンを撒こう!
そう言っていたマコトさんは、もうテレビカメラの前で、シャンパンを撒いていた。
先を越されたと焦り、駆け寄ってシャンパンの栓を抜く。
吹き出るシャンパンを頭からかぶった。
その様子をしかりと記録するテレビカメラ。
中国○○放送かと思ったら、「テレビ朝日」と書いてある。
おかまいなしにシャンパンを撒いた。
停泊していた船が一斉に汽笛を鳴らしていた。
借り物の土地と、借り物の時間は、元あるべき場所に戻された。

これが俺の初めての海外旅行だ。
7月1日日本時間AM1:00。
香港は返還8執念を迎える。
こんな風に考えているのは俺だけ…あの時あの場にいた人たちだけかもしれない。

1998年6月30日。
俺は親友と一緒に香港から鉄道で上海へ行って、1人先に香港へ戻った。
返還1周年である瞬間を、1年前と同じ場所で過ごしたかったからだ。
スーパーで適当にシャンパンを買って、ビクトリアハーバーへ行った。
そこにいたのは、普段と全く変わらない夜景を楽しむカップルや、酔っ払いだった。
俺は1人、7月1日を向かえ、シャンパンを煽った。
赤ワイン系の味が喉に沁みる。
ワインがダメな俺は思わず噴き出した。
目の前を通るカップルが、ジロジロと俺を眺めていた。

by ong-bak | 2005-06-30 22:35 | 写真日記


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