エンドー帝国  カンボジア撮影日記

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2006年 10月 31日

1031:骨髄移植について

看護学生の担当看護婦さんに、
「今日の骨髄抜くの、学生さんみんな勉強して来てるので見学させてくださいね」
と言われた。
見学はいいんだけど、醜態見せるから嫌なんだよなぁ。
「断れるんですよね??」
と言ってみる。
「じゃぁ、後で返事聞きに来ますから」
と出て行った。

10時半に骨髄液を抜くので、時間前に食堂へ逃亡。
部屋の前には既に器具を乗せたワゴンが置いてあった。
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外の景色を見て時間を過ごす。
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部屋担当の今日の看護婦さんに見つかり、「学生さんが検温で探してましたよ」と5人くらいの看護婦さん、学生に囲まれて部屋に連れ戻される。
部屋には既に学生が待ち構えていて、血圧計ってる間に先生やって来た。
見学してる看護学生に「具合悪くなったらナースコールで呼んでね」と担当看護婦さんが言う。
「も、もう具合悪いです…」
と訴えるが相手にされず。
おしりぺろんと出して麻酔。
ちくっと痛みが。
もう既に頭は汗でぐしょぐしょ。
注射数本目から麻酔で痛みもなくなる。
そしておしりにぐりぐりという感触。
「遠藤さん深いから」
数度に渡り骨髄液を抜くが、抜けない。
「うーん、胸からの方がいいですね~」
「胸は、いやぁ~」
「じゃぁ、もう1回後ろからやりましょう…うーん、やっぱりダメですね。前からやりましょう」
嫌々前向きになる。
「きゅ、休憩…」
5分ほどの休憩になる。

再開。
上半身に医療用の布かぶせられる。
「く、くさい…」
ビニールのにおいが鼻をつく。
胸元に麻酔の注射。
尻や腕よりも痛みがある。
「イテテテテ」
液が体内に入ってくる時の違和感。
2本目から痛みも薄れる。
そのままぐりぐりという感触。
麻酔が効いているから痛みはない。
「もう1分半もあれば終わりますからね~」
胸に力が加わる。
「今抜きますからね」
前回のような体内から強く引っ張られる感覚はない。
「はい、終わりましたー」
胸元を消毒し終わる。
大きく隠すようにガーゼが貼られた。
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30分ほどそのままでいるように言われた。
胸はさほど痛まないが、腰は前回同様スノボで転んだような鈍痛が響く。
それでも午後はいつも通り散歩。

昔お世話になった公文の先生がやってきた。
アフロのヅラかぶって写真を撮る。
まるで和田ア●子のようだった。
迫力満点。

夕方、専門学校時代の同級生のヤスヤスとスナオ姉さんと久子ちゃんが来てくれた。
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スナオ姉さんと久子ちゃんは先日の姉さんの結婚式以来、ヤスヤスは去年の卒展以来だ。
ヤスヤスの話だと、昔ADやってた頃の皆さんにも連絡行ってるようで、懐かしい話がいろいろと出た。
ヅラかぶって変な顔したら、どっかの馬鹿将軍みたいになっちゃった。
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ヤスヤスからはなんと、HD、キーボード、USBハブなどなど、「アムロよ、これをガンダムに着ければパワーアップするぞ」とサイド7から宇宙に放り出された酸素欠乏症の親父が言ってた以上のパソコン増強パーツ群。
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これでPCのマグネットコーテンィグもバッチリだ!!

会社の先輩カメラマンの篠塚さんと記者の奈美さんが来訪。
そこへ弟と弟の大学時代の友人とおかんも揃ってやって来て、さらに家族が来次第今後の治療についての話があったので、申し訳ないけれども病室で待ってもらって先生のところへ。

とりあえず第1フェイズの抗がん剤治療は、50-60%だった白血病細胞を1%まで落とすことができて成功だった。
そして、弟の血液検査の結果、通常は5、もしくは6合わなければならない型が3っつしか合わないかったので、弟で骨髄移植をする可能性はまず消えた。
そして、俺の状態が、良・並・悪のランクだと、俺は「並」だそうだ。
良の場合は今後の地固め療法という治療法だけで大丈夫だそうだ。
逆に悪の場合は、骨髄バンクでドナーを探し、すぐに移植という方向らしい。
そして、俺の「並」の場合、もし家族で適合者がいれば移植を薦めるが、適合者がいない場合、移植はせず地固め療法で様子を見るべき、というのが3人の先生の見解らしい。
例え、ドナーで適合者がいても、弟に比べたら「他人」を移植するので、皮膚病やら内疾患的な病気に一生付きまとわれることになるらしい。
危険なばくちをして、体にわざわざ爆弾を抱えることを考えると、やはり行けるところまでは地固め療法で行きたい。
それでもダメな場合、最終的にドナーに頼るということも可だそうだ。

いつかカンボジアに戻ることを考えると、やはり体に爆弾を抱えたくないのは本音だ。
良くもなく、悪くもなく、みごとに中途半端な俺らしい結論といえば結論だが、正直すぐに移植でないことにほっとした。
血液型が変わるのは知っていたが、「無精子」になってしまい不妊になるのは知らなかった。
もし、弟が適合し、治療も順調で、受け入れ態勢もOKだったら春には移植になるかも・・・そう考えたら、正直気持ちの整理もつかなかった。
俺は、子供好きだから、子供は欲しいと思ってはいるけど、こうゆう病気だと精子バンクも利用できるらしい。
精子バンクからってなんか味気ないなぁなんて考えてしまって…
でも、治療方針として、「骨髄移植はしない」という方向に決まったので少しは気が晴れた。

今まで何人もの人が「骨髄バンクのドナー登録したよ」と言ってくれた。
感謝です。
しかし、これで全く移植をしないのではなく、もし地固め療法で再発したら、「最終的に骨髄移植」という選択肢を残したのだ。
俺も最初はテレビドラマで見て、「絶対骨髄だけは移植提供したくない」と思っていたが、実際白血病にかかって、何度も死ぬかもしれない、と思った。
夜、暗くなった部屋で、ちょっとでも悪いことを考えると、それが雪ダルマ式に膨れ上がり、自分がこの病室で死ぬことを何度も想像してしまった。
意識があるのに病気で体が弱って死んでいくという恐怖。
白血病になって思ったのは、ただ毎日過ごす日常が、大事に思えたこと。
俺は、中学の同級生で一人白血病で亡くなった友人がいる。
そして、去年亡くなった本田美奈子。
身近と、有名人でこの病気で亡くなった人がいると考えると、治った人がいてもやはり自分が死に近いことを実感してしまう。
俺はまだまだ生きたいと思った。
それは、この病気で苦しんでいる人、皆そうだと思う。
この病気に俺がなったことで、今まで白血病と無縁だった人が、少しでも身近な病気だと感じてくれたとは思う。

俺はとりあえず骨髄移植しない治療で進めるけど、骨髄移植を待って、死の恐怖におびえている人が知らないところにいます。
白血病患者に、生きるチャンスをください。
あなたの勇気が、知らない誰かを助けるかもしれません。
一人の命を救うだけでなく、その人に関わりを持つ、数百人の人にも幸せが訪れます。
ドナー登録にご協力お願いします。
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by ong-bak | 2006-10-31 22:49 | 写真日記


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