2006年 03月 20日
カンボジア来てはや一ヶ月。 今更ながらチケットを買ったのでまともに観光。 チケットも観光目的というよりも、家の暗室に2001年から並んでいるので義務的に買っているという感じでもあるが。 今日はちゃんと夜明け前にワットへ。 暗い時間から行っているのに、大型バスがぶんぶん走っている。 アンコール・ワットに到着したものの、相変わらずものすごい人、人、人。 「こりゃぁ、半分以上日本人だナァ」とどっかのおっさんがでかい声で言っていた。 その通りでございます。 朝日が尖塔を照らす。 シェムリに戻ってロリュオスへ。 先日の写真を届けに村へ向かう。 途中で酔っ払いだったおっさんの家のにおっさんがいたので写真を渡す。 試しにスンの写真を見せて「この娘知ってる?」と聞くと、「ああ、そこの先だ」との答え。 田舎はご近所さんの顔がすぐわかる。 スンの実家へ行って写真を届ける。 帰りにバコンへ寄る。 先生の姿は見えない。 アレですよ。 始業のチャイムが鳴ってるのに先生がいつまでも来なくて無法地帯になった教室。 そんなことありませんでしたか? 何度も何度も来てるけど、改めて見ると、その度に毎回新たな発見があるから面白い。 ふと、見上げると、壁の間に空いている空間から中央祠堂が見えるとか。 覗くと、男子2名が取っ組み合いをしていた。 最初はじゃれ合っているのかと思ったら、どうもマジ喧嘩のようだった。 激しい殴り合いが続く。 周りはもっとやれと言わんばかりにまくし立てる。 片方の少年が、倒れこんだ。 しばらく動こうとしない。 こりゃヤバイか?と思ったら、大きく息をして立ち上がった。 目にはうっすらと涙を浮かべている。 負けた少年は教室の椅子に横に突っ伏した。 2人の男子が、シャツとノートで風を送る。 勝った少年の片腕を高々と上げる少年。 テレビのムエタイ見すぎじゃ。 帰り道、バコンの北側の民家の中にあるレンガの祠堂に違和感を感じた。 バコンの周りには、バコンの衛星寺院的な祠堂が周囲を囲んでいる。 バコンの周囲の村の中に、ひっそりと今でも建っている。 これらは、一基の祠堂で、向きはバコンに向いて建っている。 それに対して違和感を感じた祠堂は3基で構成され、東を向いていた。 おかしい。 遺跡レーダーに引っかかった祠堂を見に民家の軒先へ。 10時過ぎを見計らって旅行代理店へ。 「明日のベトナム航空のチケットください!」と必死な俺。 25日のバンコクからのチケット持ってるけど、おかんの機嫌を損ねた今、金はいくら積んでも帰る方が得策だった。 普段ならばどうでもいいのだが、今回は何しろ入院したばぁちゃんの世話の上、犬の面倒まで見てもらっている。 さらに、とても仲良しとは言えない弟が24日に帰ってくるらしいということは、25に帰るとまた、気まずくなる。 さらに、おかんは俺が帰って来ると思っていたらしく、泊りで同窓会に行くつもりだったらしい。 これはマズイ。 幸い、明日はなかったが明後日のチケットならハノイ経由であると言う。 本当はサイゴンにして、4-5時間だけでもサイゴン滞在して、アオザイねーちゃんのとこにでも行こうと思ったのだが、そんな悠長なことは言ってられない。 「それでいいです、ください。カードで!」 昼過ぎの人が減る時間を狙ってワットへ向かう。 チケットゲートで日本語堪能なキムに捕まった。 「ねぇー、デジカメ、欲しいんだけどー」と日本語で言われる。 「私もさー、MP3欲しかったなー。今度ォ来る時ィ、持って来て」 「分かったから。じゃぁ、メールアドレス書いといて」 「前、あげたじゃぁーん」 ああ、それどっかいっちゃったんだよ。 さらさらとノートに書いたアドレスは、バプーオン@…って、「バプーオン!?」と聞いた。 なんてマニアックなアドレスを使うんだ。 「私ねー、昔ィ、バプーオンにいたのー」 「は?お土産売ってたの?」 「ウン、ソォー、ソォー」 キムの家からバプーオンって結構遠いのにな。 まぁ、いっか。 先月子犬を産んだ母犬が日陰でごろんと寝ていた。 ああ、母さん、辛い思いをしたのね。 アンコール・ワットへ行って、人が少なくなるのを狙って撮影。 お気に入りのいつもの場所で横になっていたら、1時間ほどウトウトしていた。 周辺にはでかい発電機が置かれていて、象のテラスの前には巨大なステージが作られている。 アンコールナイトは明日のはずなんだけどな。 「どしたの、これ?」 ジェネについて聞いたが、「知らん」とのこと。 テラスの前にホテルの厨房ので働いてそうな一団がいたので、聞くと夜8時に始まると言っていた。 大・プリアカンに行ったので、こっちのプリア・カンにも行ってみた。 そのままニャックポアンの前を通って、タ・ソムの近くのトイレへ。 そこで電動自転車の管理をしてた女の子に、「あなた知ってる」と言われた。 いや、俺は知らん。 タ・ソムを見て、東に向かうと道端にオイスカ森林公園の看板が。 日本人が植林したらしい。 東メボンからプラダックへ抜ける。 バンテアイ・スレイへ行く道を通り越して、プノン・ボック方面へ向かう。 この先まで行けば、プラサット・トーがあるんだよなー。 藪で道がなくて、遺跡の屋根の部分しか見えなかった遺跡だ。 その手前の祠には、石が祀ってあり、そこまで久々に覗こうと行ったら看板が建っている。 いやぁ、まさかなぁ、と思って近付くと、看板には「PRA SAT-TO」の表記が。 プラ サットトー…? ああ、プラサット・トーか。 以前はやぶだった場所が刈り取られ、小さな橋も架かって50メートルほど進むと小さな祠堂が姿を現した。 写真を撮って、元の道を戻る。 道はほぼ西を向いているために、逆光で視界が金色に輝いて見えた。 バンテアイ・スレイとの交差点にバイクを泊め、西へ行く子供や自転車の人の姿を撮影する。 日本語が解かるのかと聞いたら、「マダムマサコのところで働いていた」と言う。 マダムマサコ?マダムサチコなら聞いたことあるけどな…ああああああーーーー、雅子さんか! 「写真は頂けますか?」と言われたので、なんとかすると返事。 帰り道、とりあえずバイヨン付近の状況を先生に報告すると、「あとで情報ヨロシク」と言われておしまい。 暗くなった道を、小回りルートで象のテラスを目指す。 到着すると、プラサット・スール・プラサットが全基ライトアップされ、テラスも全部ライトアップされていた。 8時を待つ。 1時間以上、耐えて待った。 それでも暇だし、絵にならないのでステージ脇まで移動。 とりあえずアプサラダンスが始まる気配だったので帰ろうとしたら警察の集団と目が合った。 どうやって来たんだ?チケットは持ってるか? 「バイクで来た」「」チケット、ないよそんなもん」 そうか、写真が撮りたいのか…じゃああっち入るなよ。 なんとか許可をもらい撮影。 バイヨンを取り囲むように炎が灯され、ライトアップされたバイヨンが闇夜に浮かんでいた。 遺跡に大型車の体当たりから守るような車止めに必死になっていた。 自然とできる渋滞。 横にぶうん…とモトクロスが停まった。 アンロンベン帰りの西洋人だろーと思ってたら、よーく見たら先生だった。 今日はどうゆう風の吹き回しかモロ1へ行くことに。 先生の250の後を必死で追いかける。 やっぱり250は早いわ。 モロ1に行くと、普段いるはずのビッチャラーの姿がない。 「隠れたな」 2人で顔を見合わせる。 「ビッチャラーは?」と他の従業員に尋ねると、「頭が痛くて寝てる」と言い出した。 嘘つけ! 何で全員ニヤニヤしてんだよ。 「厨房ですかね?見てきましょうか?」 「いいよ、耐えられなくなって出てくるでしょ」 相変わらず全従業員がニヤニヤし続けている。 とカウンターに目をやるといきなりいるビッチャラー。 どうやらカウンターの下の、さらに奥の方に隠れていたようだ。 本人はすましているが、先生が来たことに驚いているのだろう。 なんだか、この前写真を持って来たら、しわくちゃにしたらしくて、それで腹を立てて先生はモロ1を避けてたらしい。 ガチャピンのかぁちゃんにも、「最近アキラはこっち来ないで3ばっか」と言われているくらいだ。 ビッチャラーも素直じゃないからブツブツと聞こえるようなケンカを売るような独り言をネチネチ呟いて、定規で先生の腕をひっぱたいてた。 まぁ、これで丸く収まるか? もうすぐ正月だし。 ビッチャラーがビニールに入れたTシャツをくれた。 もうすぐ帰るからプレゼントらしい。 先日、何色が好きか?と聞かれ、黄色と答えたら「汚い」と言っていた。 「じゃぁ青」と答えたら、それも却下された。 「んじゃぁ赤」と言うと、にっこりと頷いていた。 赤いアンコール・ワットの絵柄のTシャツ。 どこでも売ってる物だけど、その気使いが嬉しかった。 せっかくだからもらった赤いTシャツと一緒にビッチャラーと写真を撮る。 先生に言われてモニターを見ると確かにピンク。 まぁ、フォトショップで直せばいいでしょう。 ところが…タケオに戻ってみるとTシャツは見事なピンク色! どうもモロの光源で赤く見えていたようで、実際はシャァ専用色でした。
by ong-bak
| 2006-03-20 14:28
| 2006春旅
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カンボジア専門カメラマン、エンドーの旅そして日々の(怠惰な)生活 カンボジアの写真と言えばエンドー帝国。急性骨髄性白血病により2007年7月14日逝去。エンドー帝国は永久に不滅です。 by ong-bak カレンダー
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