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エンドー帝国  カンボジア撮影日記

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2005年 07月 21日

メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)

ストゥンからコンポンチャム行きのボートに、昨日の4人で乗った。
しばらくは室内にいたのだが、シェムリ~プノンペンのボート全盛期の頃のように、天井へ移動した。
足首を手摺に絡まして座る。
移動している若坊主がダラーと横になっている。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_2349664.jpg
ボートはメコン川を南下する。
地図には中州程度に表記されてある島々は、かなりの大きさがあり、ボートは網の目を縫うように航行する。
川には、コンクリで作られた道標が頭を覗かせ、いい加減なクメール人でもこれだけはきちんと守って航行した。
これも植民地時代の遺産なのか、ところどころ半壊、全壊していた。
俺は途中の町、クラティエで下船した。
スペイン人カップルとミス・リーとはここで別れる。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_23501458.jpg
お互いに手を振った。
数日後たぶんシェムリで会うだろう。
それでも1日ではあるが旅を共にした人と別れるのは寂しいものだ。

クラティエでの目的は、ここから北30キロ程のサンボールという場所である。
色々な地図を見ると遺跡があるっぽい感じだった。
また、コンポントム北の古い王都、サンボールプレイクックと同じサンボールと言う名前を冠しているのが気になっていた。
ロンプラによると、レンタルバイクをしている宿がいくつかあるらしい。
船着場で群がって来た客引きの、江戸っ子みたいなねーちゃんが「バイクならあるよ」と言うのでその宿にする。
荷物を置いて、詰め替え、バイクを借りると、さっき船着場から乗って来たバイク。
WAVEのコピーだ。
「6時に戻って来て」と言われる。
早速途中でガソリンを入れ、メコン川沿いに北上。
これがクラティエから離れると、舗装が剥がれてひどい道。
前輪がガッツンガッツン当たる。
振動が腕直撃で相当痺れる。
そして、道端から、子供たちの「ハロー、バイバイ」攻撃。
彼らにとっては、滅多にないことだろうなんて思って応じているとバランスを崩す。
余裕がないときは泣く泣く無視した。

しばらく走ると、山が見えた。
山と言えば遺跡でしょう!
バイクを山に向けてつっぱしる。
地元の人に山の入口を聞くと、戻ったところだった。
山の入口の道には、寺の門がある。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_23514165.jpg
カンボジアで、寺のある脇道には、大通りに門が建っている。
山であり、なおかつ寺があるということは、遺跡がある可能性も高い。
遺跡レーダー感度ビンビン。
山の麓にバイクを停車し、ドヴァルパーラに守られた急勾配な階段を登る。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_2353228.jpg
階段の右側には、さらに高いところへ登る階段があり、その上は本堂だった。
反対側の階段沿いには、僧房が建てられており、おばあさんたちがいた。
周囲には明らかに遺跡だった、加工された石がごろごろ転がっている。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_23544741.jpg
念のため、地名を聞くと「プノン・サンボール(だった気がする)」と言われた。

山を降りてさらに北上する。
この周辺では、川に生息する川イルかを見ることができる。
唯一の観光資源だ。
道沿いにイルカを見るためにイルカ公園があって、そこのすぐ下ではイルカが泳いでいた。
しかし、公園の下は下なのだが距離は100メートルほど離れている。
ボートで近くまで行ってくれるのだろうが、今回の目的は違うし、ここから望遠レンズで見るだけで十分だ。
イルカの群れは、メコン川を呼吸のために浮いたり沈んだりして、あまり面白くない。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_23584187.jpg
しかも、この近辺の町ではイルカ観光のためか、イルカの石像が飾ってあるのだが、それがまた、ブサイクを通り越してジョーズのような恐ろしい顔つき。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_23595895.jpg
(写真はストゥンの石像)
「メコン川のイルカみたぁーい!」なんて言ってる女性陣、やめた方がいいよ。

イルカ公園の近くは、メコン川の水面に竹を敷いた、涼みスポットのようで、地元の人で賑わっていた。
メコン川沿いの、木で囲まれた道をひたすら北上。
ついにタイヤがパンク。
サンボールとの分岐のの町、サンダンはそこそこの集落だった。
丁度修理屋があったので修理を頼む。
その間に、近所の貸し携帯を借りて、アキラ先生に電話。
ラオスからカンボジアに着いたことを報告。
「今どこにいんの~?」
と聞かれたので、「今、メコンのサンボール行く途中のサンダンってとこです」
「あー、はいはい。あそこねー、なーんもないよー」
ガビーン。
ここまで必死で来たのにー。
でもせっかくだから行くだけ行こうとさらに川沿いを北上。
2キロくらい走って、さっき修理したパンクがまたパンク。
しかも普通の村の中で、店などない。
これを押してまたサンダンまで戻るのはキツイ。
すぐ近くの民家へ行って、「モト コォーイ(バイク壊れたんだけど)」と言ってみる。
そうすると、道路向こうの数軒離れた民家へ行かされる。
おじさんが出て来た。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_094457.jpg
看板は出てないけど、このおじさん、自転車修理屋らしい。
助かった!
なんだか変な外国人が来てるぞ、と村人が集まる。
修理してもらっている間にちょっと撮影。
デジカメのモニターに写る自分たちの姿を見て、大笑いする子供たち。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_0103894.jpg
修理が終わった。
おじさんは小さな釘を持っていた。
これが刺さったままだったらしい。
さっきの修理屋、パンクだけ治して刺さっていた釘を取らなかったようだ。
値段を聞くと、おじさんは「モォィポアン(1000R)」と言った。
すげー、適正価格。
でもお世話になったので、2000R渡す。
わかっててぼったくるヤツは嫌いだけど、こうゆう場合は気持ちよく払える。
おじさんの家族と村人に別れを告げ、サンボールを目指す。
サンボールの町は、小さいながらもガソリンスタンドがあり、そこそこの規模だった。
道なりに走ると、午前中船から見えた馬鹿でかい寺が現れた。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_0155458.jpg
寺の境内で石を探す。
境内の隅の祭壇にいくつかの石が安置されていた。
近くにいたおじいさんが「ポル・ポトがぶっ壊しちまったよ」と教えてくれた。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_0171654.jpg
憧れ続けていた、メコンのサンボールを、この目で見ることができた。
何もなくても悔いはない。
さぁ、クラティエに帰ろう。
寺の前には、メコン川が流れ、メコンを見ながら軽食が食べれる屋台が出ていた。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_0204872.jpg
こんな田舎でのんびりするのもいいな、そう思った。

帰り道、さっきの村でおじさんの家近くでスピードを落とす。
手を振る村人に気を取られ、通り過ぎてしまった。
そこから少し走ると、またまたパンク。
そのままトロトロとサンダンまで走る。
先ほどの修理屋に行って、新品のチューブに交換してもらった。
約束の6時に間に合わない。
帰り道はスピードを出すが、やはり道が悪い。
余所見をしないで運転したので、行きよりかは早かった。
日も暮れた6時半、クラティに戻った。
こうして、俺のメコン川を下る旅は終わった。
メコン川国境越え ③憧れの地 サンボ-ル(2004年2月)_b0003143_025662.jpg


by ong-bak | 2005-07-21 00:24 | ★カンボジアあれこれ★


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